(仮称)せんだいメディアテーク打合せ


1997年5月8日 (仮称)せんだいメディアテーク打合せ

13:30〜20:30
伊東豊雄建築設計事務所

出席者
プロジェクトチーム
桂 英史氏 小野田泰明氏 鈴木 明氏

伊東事務所(伊東豊雄氏 桑原氏 横溝氏 古林氏)
(事務局/生涯学習課 奥山、伊藤/市民図書館 渡辺、高橋)

<中央図書館問題について>

●メディアテークにおける中央図書館的機能と図書館システムの更新について明確にする必要がある。
●中央図書館的機能は、基本的にメディアテークの設計を変えるものではないが、図書館の課題を考える「頭」としてのソフトをどうするかという問題は、検討していかなければならない。

<自動貸出システムについて>

●レイアウト上の動線を見直す上で、自動貸出を考える。サービスの時間、人員体制、貸出システムとの一体化により、労働の動線も変わってくる。完全自動貸出システムを導入すれば、カウンターの役割が大きく変わってくる。コストはかかるが、技術的には可能。子どもたちの問題もあるので、児童書のみカウンターを残すとかでもいい。カウンター業務は減少するが、配架とか磁気埋め込み作業などバックスペースの仕事量は大きくなる。
●完全自動貸出システムというのは、アメリカなどでは導入済。もともと開館時間の延長やセキュリティの問題でシステムが開発され、大学図書館から州立図書館、市立図書館へと広がっている。
●メディアテークは都心型なので、利用者はビジネスマン層が多いとは思われるが、こども、お年寄りやシステムダウン時のためにも、従来型カウンターは必要。
●自動貸出で簡単に図書を借りられると、手軽に6階や1階のカフェに持ち出して読むということもできる
●図書館職員は、これからはもっとカウンターの外に出ていかなければならない。
●ニューヨークの公共図書館では、カウンターの外に職員が多くいて、懇切丁寧に利用者に説明してくれた。

<事務室・作業スペースについて>

●自動貸出が導入されれば、ユーティリティースペースとしてのカウンターとなるので、形状的にカウンターである必要はなくなる。
●コンペ以来、メディアテークは一体として運営するという方針を持っていた。これが建築側の考えとも合致して共用の事務スペースということになったが、このことについては十分な議論が必要。

<非図書資料(AV資料等)について>

●AV関係(非図書資料)については、メディアテークではパッケージ型は置かず、むしろ発信型のスペースとして考えていってはどうか。
●ネットワークにおける著作権の問題を考える必要がある。
●ビデオオンデマンドとかメディアオンデマンドなど、課金の方式が確立されれば可能である。パッケージ型AV資料はあくまで過渡期のものであって、分館で対応すればいいのではないか。
●地域映像など郷土資料のDBは、あくまで「アーカイブ」(あればいい、利用頻度は高くない)である。誰が使うのかを想定すれば、ボランティアなども想定してゆっくり作っていけばいい。
●3階は、従来の「紙」の資料、AVメディア、そして視聴覚障害者も利用できるAVブースという構成で設計が進んでいる。
●7階で作ったものを開架図書といっしょに置くのは不自然。郷土資料は、今まで収蔵してきたヒストリー的なものと、これから作っていくものと分けて考える。映像メディアは3階にパッケージとして置くのか、郷土資料の紙以外の、加工したものをどう受け入れるのか。またそれを一般貸出に入れるのか、団体貸出に限定するのかを考えるべき。

<バリアフリーについて>

●バリアフリーについては、何よりもまず働く側にハンディキャップのある人を入れることが重要。
●点字図書館の指定を受けないと貸出できない。ただ点字図書館の指定を受けると制約も大きいので、難しい問題でもある。
●点字資料には限界がある。
●AVと同様、どこに何があるかという連携コミュニケーションの核にはなれる。どこに何があるのか、どうすれば利用できるのかという、2次資料・2次情報を提供するサービスができれば充分である。基本的には「人」の問題である。最低限のメディアのサービス+人が重要。
●障害者のスタッフがそれぞれのエキスパートの中にいればよい。

<図書の配置関係について>

●学習室については、例えば「成人室」を作って、18歳以上が利用できる個室にすることによって、静かに利用できる閲覧スペースを確保して、逆にその他では学習されても仕方がないとする方法もある。

<遮音について>

●1階の遮音については、ロックは厳しいが、支障はないと思う。
●貸出基準を設定する上でも、目安になる基準は必要。
●大きなイベント時にはエスカレーターを閉鎖して、エレベーターを利用してもらうとか、運営上での対応も考えなければならないかもしれない。
●2階はある程度音が出てもいいと思う。

<その他スペースについて>

●システム管理者(メーカー)が、システム更新時や切替時に滞在するような部屋(場合によっては寝泊まりができるような部屋)は必要。できればスタッフに近い方がいい。

<蔵書等について>

●基本的には、AVや製作した資料、郷土資料等の資料に直接関わる部分が未解決になっている。市民図書館の既存の資料の移行の問題もある。蔵書点検、集書計画がどうしても先にしないとならない。
●閉架分の増加が想定されるので、閉架の大きさはこの量だとすぐあふれてしまうのではないか。

<作業スペースについて>

●バックスペースについて、受入れを常時やりながら、違った資料の扱い(作業)が生じた場合、大丈夫だろうか。
●3階・4階の資料の扱いを早急に固めないと、労働動線が決まらない。原案だと2階の作業スペースに業務端末を集中させることになると思うが、ここでは入力や返却処理等あらゆる作業を行うことになるので、むしろ3階ベース(図書作業室)で考えた方がいい。書架も近いので、基本的には3階に業務端末を置くのがベスト。
●グループ閲覧スペースや、映像メディア(AV関係)を見直すに伴い、図書作業室をもう少し前に出すとか考えてみたらどうか。2階(AVや子ども関係)と3階(静かな環境)のすみ分けも必要。作業的には受入れと貸出(返却)があるが、返却の作業もかなり大きい。

<郷土資料について>

●郷土資料については、目録整備の上、一部デジタルアーカイブ化して閉架へ持っていくのがいい。近代文学館への移行という話もある。
●郷土資料について、博物館、近代文学館、メディアテークの区分けがこれからの検討課題。

<工期について>

●竣工後開館まで6ケ月を考えている。既存の資料の整理もある。
●今から蔵書点検等をやっていく必要にもつながってくる。

<館長問題について>

●館長問題も早急に対応していかないといけない。


1997年6月3日(仮称)せんだいメディアテーク打ち合わせ

伊東豊雄建築設計事務所

出席者
プロジェクトチーム
桂英史氏 関口敦仁氏 木村健一氏 小野田泰明氏 北野宏明氏 鈴木明氏

伊東事務所(伊東豊雄氏、桑原、横溝、古林、竹内各氏)

(事務局 生涯学習課 奥山 佐藤泰)

<ギャラリーについて>

●ギャラリーを利用する側からすると、スペースの広さニュートラルさから5階の方が利用しやすいだろう。5、6階とも天井からプロジェクターを吊れるようにする必要がある。5階は70〜100kg程度で、6階については大型のものを吊れるようにした方がよい。
●6階床のケーブル配線ピットとしてW=150位のスリットが使いやすい。
●天井内、可動壁内にも天井から床に接続できる配線ルートがあった方がよい。無線イーサーネットの中継部を可動壁上部に取り付けられた方がよい。
●電気容量としては1ブース2kwが標準。56階とも電源の取り出し口にLANのケーブルが引き出せるようにしておいた方がよい。
●仮にケイブを持ち込むと5kw必要。1フロアーに2セット位は想定したい。
●オニキスなどを持ち込んだ場合は240Vとなるため4カ所程度専用コンセントを設けるか、トランスを何台か用意する。トランスについては容量を確認のこと。
●6階の壁の色については白がよい。6階の照明器具としてウォールウォッシャーとスポットライトの他に、ズーム付きのスポットも必要ではないか。
●5階、6階共通でホワイエ部分にも床に電源及びLANの取出し口がほしい。

<一階ギャラリーホールについて>

●図書館との共存を考えるとジャズやロック等をいつもやっているというのは好ましくない。ジャズフェスティバルの時などは図書館利用者も理解してくれると思う。ただ演奏にしてもパフォーマンスにしても、この館のプレステージとしてなんでもかんでもに開放しすぎない方がよい。5.6階との連携も考えるべき。
●ギャラリーホール単体としては、地元のアーティストをバックアップして、舞台芸術とアートのコラボレーション等のパフォーマンスも考えられる。
●ギャラリーホールは、稼働率として必ずしも100%を目指すのではなく、館の看板として、もったいない位の使い方でいいのでは。抑制のきいたけじめのある運用が重要。
●非利用時には大画面で映像を映すことも検討中だが、単なる環境映像と考えるか、例えばバリアフリーに対応したインフォメーション機能を持つものと考えるかによって画面の大きさ位置等変わってくる。情報システムの検討次第である。
●例えば古い映画をアクリルケースに入った16mmで流すとか、古いものを新しい手法で見せるという事も考えられる。
●1階ギャラリーホールについては、開館後3年間位の企画運営のシュミレーションを組み立ててみるべき。例えば2ヶ月単位で年間6人、計18人の映像作家に、コンペによっても良いが、制作を依頼してプレゼンテーションする。質の高い新しい作品を提供することでメディアテークとしてのプレステージが出来る。
●ギャラリーとしてもコレクションを持たずにデジタルアーカイヴを徹底し、メディアテークとしての方法論を最初に確立することが重要である。
●いずれにしても映像主体の展示スペースという位置付けも良さそうである。

<その他>

●映像のアーカイヴは、例えば戦前の教育用映像とか産業映画等、ディレクションの方向をはっきりさせていくのか、一般的なものにしていくのかを検討する必要がある。
●今後サインについても通常のものではなく、バリアーフリーを考慮した情報サービスシステムと建築的な処理を検討したい。
●館内の情報システムとして、個人の情報を書き込んだIDカードを使用することによる、ハンディキャップのみでない例えば好みなどの個人レべルに対応したサービスも考えられる。ただしプライバシーの問題を考えるとカードは書き換えの出来る匿名のものとした方がよい。
●バリアーについては今後、障害者というバリアーだけでなく子供や老人、外国人等様々なものが考えられ、利用する側のみでなく運営側においても同様に考慮されるべきだ。
●今後打ち合わせの内容はプロセスのドキュメントとしてまとめておく。


1997年7月1日(火) (仮称)せんだいメディアテーク・プロジェクトチーム(仙台)ミーティング

18:30〜23:00
仙台市役所北庁舎4階第1会議室

出席者:
プロジェクトチーム
岩本正敏氏 小野田泰明氏 木村健一氏 新田秀樹氏 菊地淳氏

(事務局 生涯学習課 佐藤泰、伊藤信義、伊藤勝也)

<名称とURL>

●メディアテークとし独立したドメイン名をとりたいということだとすると、早い者勝ちなので、早くしないと「メディアテーク」という名前がどんどん使われていく。2万円程度の予算がとれれば何とかなると思う。URLの名前(ドメイン名)は、ナビス内でも例えば「mediatheque.go.jp」のネームを使える。
●白石市で建設中の「(仮称)白石市マルチメディアセンター」は、メディアテークのミニチュア版といったもので、センター内に「メディアテック」という名称を既に使用している。コンテンツの相互交換も検討できるのでは?
●「(仮称)せんだいメディアテーク」の名称の最終決定を全体的に先にしないと、登録できなくなる。パンフレットも作れない。「夢ッセ」が「夢メッセ」になった例もある。商標登録には50〜60万円くらいかかると思う。弁理士と相談した方がいい。
●先に「メディアテーク」が登録されていると、「メディアテーク」という名称が使えないか、もしくは「買う」かのどちらかになるだろう。弁理士は仙台にはいないと思う(東京にしかいない)。
●「(仮称)」を外すのに「公募」などで決めるのは避けるべき。
●「メディアテーク」は一般名称として使われているので、固有名詞にはなりえないと思う。登録されていなくても、先んじて登録する必要はないのでは。むしろ広く使われていった方がいい。
●登録した方がいい。例えば後発の公共施設が使いたいという場合には、使わせればいい。それも含めて、弁理士に相談した方がいい。
●プレイベント時のスタッフ用に、Tシャツやジャンパーを使用すれば宣伝にもなる。
●プレイベントでも「実体」がないので、開館前に今ある市民ギャラリーを「メディアテーク」として先に活動させて、開館と同時に引っ越すという形もあり得ると思う。
●今の市民ギャラリーは、貸しギャラリーでしかないので、「メディアテーク」が誤って理解されるおそれがある。

<シミュレーションの方法>

●バーチャルリアリティは、お金がかかるがぜひやってみたい。このシミュレーションはかなり設計に作用するものになるのか。
●遊びとして、伊東事務所で使わなくなった模型を借りて、ネットカメラなどで撮影したものをベースに作るというのもおもしろいと思う。VRMLより、実体を写したものを使った方がおもしろい。
●ファイバーカメラを使ってもいい。
●7階については、シミュレーションはやってみたいが、ただ単に設計のためであればあえてバーチャルはいらないのでは。

<システム計画の進め方>

●通常は仕様書を作って入札が、一般的。やり方としては、まとめてやるか、パーツに分けてやるかで、国際競争入札になるかどうかが関係してくる。
●発注から納入まで半年はかかる。入札に出すだけでも1ケ月の期間は必要。1年前から準備する必要がある。デザイン性重視なら、利用者に見える情報系と見えない情報系(サーバ等)に分けて、見えない部分は入札で、端末のインターフェース等は指示するが、見える部分は家具として扱うこともできると思う。一括して入札をかけると、ディスプレイの色まで指定できないので、デザイン的に合わない端末が並ぶ事になりかねない。
●想定価格の3分の1程度で落札してしまう例もある。安いのはいいが、ちゃんとしたものができるのか結果が心配。
●コンサル的なものを早めに組めればいいが。
●今のところなかなかコンサルタントがいないので、メーカーと契約して、その中でやっていく例が多い。
●プロポーザルは、先に発注ができる。通常検討委員会などでにおいては、委員の先生方は基本的なスペックについては示すが、設計上の仕様までは手が回らないということがよくある。プロジェクトチームで仕様書を作って、メーカーにプロポーザルさせて、メーカーにコンサルさせるのが現実的か。
●コンテンツでコンペをやって、ハードが付随してくるという形はできると思う。ソフトはソフト、ハードはハードで入札するのが普通。現在進めている他の事業では、ソフトウェア開発もあったので、ソフト業者と契約済だが、ハードはまだ決まっていない。ソフトにメーカーが入っていてもマシン固定はできないので、ハードについては別メーカーが入る可能性もある。メディアテークもハードの発注は11年度予算として、その時期に最高のスペックを持ってこれる。一方ソフトの発注は10年度予算で、開発期間を十分にとった方がいい。一番いいのは、どんぶりとして全部頼んで、開発と同時にその予算が発効するというのがいい。ソフトのメニューを作るのに、どういう運用・サービスをするのかわからないとスペックができない。今回要求する予算(10年度)にソフトウェアまわりの開発予算を盛り込まなければならない。
●ソフト開発は高い。DBものだと、科学館で約3千万だった。ソフト運用システムと図書館のDB及びDBの打ち込み費用で、最低1億は必要。どういうソフトウェアが必要か、一覧表が必要。これにより運用が決まってくる。建物として入る部分と、備品として入る部分との線引きをしっかりしていかないと、後でどっちも入っていないということにもなりかねない。
●ファイバーの値段も様々ある。メディアテークだと、館内LANだけでソフト・端末を含まなくても1億はかかる。端末もサーバは別で、1億5千〜2億くらいか。概算でハードの予算・スペックは作っておいた方がいいのでは?例えば7階のAVルームでは、プロジェクターやオーディオまわりで概算で3千万とか。
●ハードはいいが、ソフト面は是が非でも来年度に予算を取る必要がある。ハードの中でDB等、ソフト開発が必要なものがあるかどうか。
●アーカイブだとしても検索するためにはインデックスサーチの機能が必要。DBは維持管理についてたいへんな作業を要する。
●ビデオテックドパリなどではDBを自然言語で全文検索している。
●地域映像アーカイブを動かすソフトウェアは、ちゃんとファイルして整理していかないとたいへん。数秒で全文検索かけるにはかなりの技術を要する。時間がかかるのでは使い物にならない。そのためのソフトウェアの開発が必要。単なる「デジタルメディアのごみ箱」ではいけない。いずれにせよ、早く決着して来年度の予算をとらないとダメ。建設的なものは進んでいくが、後はソフトウェアの開発が重要。机等の備品の発注については、トータル的なコンサルがいれば後でも対応可能。イベント関係を分けて考えていく必要がある。


<図書館問題>

●躯体変更などの大幅な変更はできないことでもあり、細かい部分について本当にこのシステムが運用できるのかということを、チェックしていった方がいいのでは? ここで決めても、図書館の方で対応ができないとひっくり返ることもあり得る。カウンターの使い方についても、現場の人は従来のシステムでいきたいと考えていると思う。
●現場の人にとっては、基本的には新しいシステムは考えたくないので、運用マニュアルをしっかり作らなければならない。図書館や教材センターという既存施設の人間が直接関わっていないと、不協和音が生じる可能性がある。外部に対しての活動と同時に、内部に対しても早く対応していかないといけない。10月の予算要求時期には少なくとも実務者レベルでの検討が必要。
●図書館は一番慎重にしていかなければならない。市民団体や既存スタッフの理解も、メディアテーク事業の成功の鍵を握っている。開館前から少しずつ新しいシステムに慣れてもらい、こちらから用意するというよりは、自分たちで準備していく形に持っていくことが重要。
●どこの組織も非常勤の方が力を持っている。そこをどううまくするか。
●財団設立当初から財団として専門職を採用し、前向きに進めればいい。
●立ち上げの時点でちゃんとした司書がいないと、失敗する。コンピューターにも詳しくなければならない。
●市民に対する図書館サービスのあり方について意識を持っている人材が必要。テクノロジーは後から付いてくる。
●図書館のスタッフ的な問題では、DBについても初日から全部できないと許されない。ギャラリーの方は物理的なものがあればとりあえずスタートできる。図書館だけは、慎重にやらないと攻撃対象になってしまう。いかに12年度に移行するかというスケジュールはかなり綿密に立てていかないと、ただ単に本を並べればいいという訳にはいかない。旧システムと新システムをパラで走らせるテストラン期間は半年は必要。逆算すると、BDSの作業もあるし、図書館システムはかなり急を要する。市民団体等、ボランティアを要請する場合もあり得る。
●ライブラリーの問題については、解決できるのかどうかという判断は図書館の実務レベルの人とぶつかるところまで聞いているので、席にいないところでこのミーティングだけで決めるのは避けるべきである。図書館自身で必要性を感じない限りここでいくら議論してもはじまらない。新しいアイディアやシステムの移行準備があるので、スタッフの人にそういう意識を持ってもらうためにも、やらせられているというのではなく自ら獲得するような感じを持ってもらうのは重要。
●図書館が本を貸すだけの施設か、生涯学習の場として考えるかでも大きく変わってくる。学習活動に関する指導も重要になってくる。例えば児童書の相談業務のできる司書や学生ボランティアを導入し、学習会の場をメディアテークが提供するかどうか。市民団体に対しても、学習できる環境に目を向けると、本を貸せる、貸せないということよりも、生涯学習活動における図書館のあり方について考えていただけると思う。学生ボランティアのコーディネートも必要。想定しているワークショップをまとめて図書館スタッフに説明しないと、自動化、自動化とだけ言っていては意味がない。
●メディアボランティアやメディアサポーターも、今は視聴覚よりのボランティアだが、メディアテークの中でどんどん拡張していくということをメニューの中にちゃんとうたっていかないといけないのではないか。
●我々の考えとして、図書館は生涯学習のライブラリーなんだということを明確に打ち出していかないとならない。図書館の活動として、子どもたちに本を読む会とかそういう企画もののワークショップを入れていった方がいい。世界中にひとつしかない童話など、貸出が多ければ出版していくとか。図書館として作文コンクールとか読書感想文募集とか、発表していく場として図書館を使うなど、学習システムとしての位置づけが必要。この「メディアテーク事業体系素案」には、そういう意気込みが欲しい。

<1階の運営とレストラン・ショップ>

●レストラン・ショップについて、オープンな配置になっている。運営上の担保がないとこわい面がある。夜の10時まで開店するようにして、イベントとも連動できる。
●棚をつなげて、心理的障壁を作るのは可能だと思う。むしろ1階全体をどう運営していくのか見えないと決められない。個人的イメージだと「スパイラル」のショップに近い。ブラウジングできるサンプルCDの試聴が並んでいて、商品はカウンター内にあるような、そういうシステムはあると思っていた。
●東京の現代美術館もこういうイメージ。
●イベントでは音や照明等かなり制限されるのではないか。ある限られた範囲でのイベントでしかあり得ない。照明を落とすとしても、外の空間とつながっていることもあり、真っ暗にする訳にもいかない(真っ暗な空間が必要であれば、上階で対応できる。)利用を限定しても、1階はかなり利用頻度は高いと思われる。
●天井にとどくものではなく、台に固定するようなパーティーション的なものを組み合わせるしくみはありえる。
●ショップについては業者に委託して任せるのか、もしくはメディアテークのもののみしか扱わないのか、ということを考えるべき。
●基本的には直営はむずかしい。スタッフやお金のやりとりも生じてくる。メディアテーク関係の本や商品を売るにしても、それをテナント(ショップ業者)に委託する形もあり得ると思うが、売れない場合の保証の問題も出てくる。
●ショップはスパイラルのように、恰好良く引き締まった所にしないとまずい。メディアテークのコントロールが効かないといけない。カフェについては、ある程度自由でいい。
●カフェも人件費の問題で、自販機を置かれるというケースも危惧される。

<7階のワークショップ>

●7階について、これからワークを起こしていくとすると、メディアボランティアやメディアサポーターの活動拠点が7階と思っている。プロフェッショナルな技術を持って、館全体をサポートしていく。学生がコアスタッフになっていくと思うので、組織化する拠り所に7階を考えたい。7階はものも作れる、活気のあるワークショップにしたい。7階の新しい分野と1階の使い方に関して、人材を固めていく上で重要な拠点となる。
●ここでものづくりをするのはいいが、コンテンツ産業がこれから盛んになってくると、仕事としてやるのか趣味としてやるのかの線引きも問題になってくる。公的な備品をビジネスに利用されるのは避けられない。プロジェクト主導型でやっていかないといけないのではないか。
●基本的にはブース形式で、プロジェクトに対して貸すという形がいいのでは。部分的にはメディアサポーターのサロンとして貸す。しかし、その割にはそんなに広くないので、どこまで可能になるのか。
●料金制度も考える必要がある。
●河北町の「メディアシップ」は、基本的にはインターネットカフェ。1時間いくらで利用できる。
●会員制が無難かなと思う(年会費制)。1日いくらで飛び入りも可能にする。ある程度固定客は必要。
●自由に使わせるというのは学習にならない。生涯学習という概念で、教育的意味を出すには、干渉する(指導する)。干渉されたくない人はここには来なくてもいいという感じでいいと思う。要は学習環境として干渉していかないといけない。
●インターネットは基本的には検閲はされるべきではないが、公共空間なので、例えば飛行機の中で週刊誌を置かないように、規制してもいい。
●しかし線引きはできない。
●確かに管理はできないが、モラルの問題として約定に書くことはできる。
●プロジェクトリーダーに引っ張ってもらい、グループを育てる。
●小中学生が集まる可能性が大きい。学校でのコンピューター利用には制限があるのでメディアテークに集まる。そこでジュニアリーダー的なものとか作っていかないと、秩序が保たれない。ケアができる人的スタッフ(子どもたちを相手にしてもらえる教育的スタッフ)も検討すべき。
●「コアユーザー」的なサポーターとは、活動の立ち上げが技術的にできる人。ここで作った作品を発表する「手本」を1回やった方がいい。してみせる。こうやればできるということを言って聞かせる。やらせてほめる。場だけの提供だけではだめ。プロを集めて、作っている様子を見せる。このようなことは、オープニングセレモニーでも是非ともやるべき。
●世田谷文化センターでは、開館時にプロを揃えて使い方を2年くらいで教えていくという方式を採った。メディアテークはこの世田谷のメディア版という感じでやったらどうか。
●メディアテークでは産業技術より文化的なので、役割を担ったアーティストが来てプレイベントで何かやりながら、スタート時の1〜2年間にボランティアが自分たちでやっていけるまで巡航速度まで持っていく。前段では学生組織でやっていきたい。ショーウインドーデザインコンテストなどのように、産業としての魅力というよりも文化的魅力がある。
●アーティストの魅力もあるが、産業としての魅力もあると思う。アートは動機付けにはなるが、力にはならない。力になるには、そばにいることが大切。超一流である必要はない。両方同時に必要な魅力である。竣工から開館までの数ケ月間で、オープニングセレモニー用のプレゼンテーション用ソフトをここで作れないか。予算は1千万は取ってほしい。後は学生ボランティアを組織してオープニング企画用のCDなどを作っていく。こういうような企画が欲しい。作らせることによって学習させ、継承させる。そこで学生たちを巻き込んで、コア的なものを作れないかということ。
●CGやインターネットもいいが、既存メディアの扱いについては、例えば本を作れるワークショップのような生涯学習での位置づけが必要。
●本の工房については以前から話はあった。電子メディアに対する図書館団体の不安もあるようなので、本を作る講習会も有効だと思う。
●本を作るのも含めて、7階はワークショップを固めることによって意味が出てくる。将来的にはNPO的活動などに運営を投げることは十分あり得る。そこまで行くためにはどうすればいいのか。
●まとめてNPOに任せるのはいいが、7階にはメディアテークの心臓部(サーバやスタッフの作業等)もあり、その重なりも場合によっては解かなければいけないかもしれない。
●確かにそう簡単にはいかないとは思う。
●キュレーターは主に7階にいることになると思う。ギャラリーの管理拠点は2階になる。
●セキュリティーは保てるのか?常にオープンなところにいるとスタッフも疲れるので、休息場所を確保し、スタッフオンリーのスペースについては、盗難の問題もあるので、セキュリティーロックの保証も検討必要。
●ボランティアの控室も必要。7階にサロン的スペースが欲しい。

<広報について>

●市民に対する情報公開の手段としては、ホームページだけではまずいのではないか。
●ポスターや壁新聞などを作って、公民館などに貼ったらどうか。(チーム)
●メディアテークは使いにくい、わかりにくいという記事だけが新聞で取り上げられたりするので、そういうイメージが先行してしまいがち。今後もっと広報活動を展開していかないと、「メディアテーク=わからない」というウワサだけが広がっていく。
●地元新聞社なともスタッフに入れたらどうか。


1997年7月8日 メディアテーク・プロジェクトチーム東京ミーティング議事録

午後6時半〜午後11時半
  伊東事務所会議室

出席者
プロジェクトチーム
桂 英史氏、関口敦仁氏、北野宏明氏、鈴木 明氏、小野田泰明氏

伊東事務所
伊東豊雄氏、桑原立郎氏、古林豊彦氏、横溝 真氏、竹内申一氏
(事務局 生涯学習課 佐藤 泰)

 

<設計の調整作業について>

●バリアフリーなどについての議論は、現時点の図面に反映できるかどうかはさておき、これまでの議論をふまえた全体像を把握しオーソライズすることが必要。
●プロジェクトチームでの議論がどのようなステップをふみながらオーソライズされのるかは根幹の問題。プロセスを明確にしておかないと。その点についてどう理解すればいいか?
●メンバーの意見が中心となるがそのことについての最終的責任は仙台市がとるものであり、その意味において伊東事務所にオーソライズされた考えを伝えるのは仙台市の役割である。
●利用者団体などのヒアリングで出されている意見とプロジェクトチームの意見の差などがある場合をどう考えるのか。
●理想の話と現実の話のすりあわせがあってはじめて具体的な計画になる。作業のルーチンを作るためプライオリティのついたチェックリストが必要。

<当面の課題=バリアフリーについて>

●新しい問題としてはたとえばバリアフリー。対ユーザーだけでないスタッフに対するバリアフリー。
●どの程度の障害に対してどう対応してくかが問題で、それをヒアリングなどをしながらサーベイしていくのがシミュレーションの意味。
●肢体不自由をも含めてどう考えていくか。仙台市として考え方を整理しておいてほしい。対外的にきちんと説明できるようなバリアフリーの検討過程を明確にすることも大切。
●健常者とさまざまな障害者が混在するときの建築の負荷、運営の負荷をどう考えるか
●いわゆる点字図書館ではないと認識しているが、そのあたりも含めての整理がほかのことを後回しにしても大切。

<館長について>

●メディアテークに関してはプロジェクトをひっぱるリーダーシップがどうしても必要。
●IAMASの計画では坂根さんがはじめからかかわっていた。

<図書館自動貸出>

●自動貸出はあくまで図書館職員を貸出返却という作業から開放し、新しいニーズに応じたよりメディアテークらしいサービスができるようにするためである。自動貸出は図書館の利用者動線を根本的に変える可能性がある。そのシミュレーションをしなければならない。
●図書館自身がどうふみきるかという問題があるが、新しい利用形態を生み出しうるこの建築の特性を生かすためにも自動貸出は考えたい。
●処理能力や信頼性を含めた実現可能性について検討したい。
●仮に住民がIDカードを持つようになっても、自動貸出処理にIDを使うというのはむずかしい。本に関してはこれまでのバーコードがあるので、入れ替えは大変だが、現状しだいでは考えられる。システムはこれからつめることになる。

<建築設計以外の業務=家具デザインなど>

●設計業務の中には家具設計は含まれていないが、建築のコンセプトの上で非常に重要である。その進め方は十分考えてやらないと全体がめちゃめちゃになるおそれがある。
●家具の他にも情報、サインなど、建築に含まれないが全体を左右する重要な項目がある。
●一般には家具メーカーなどが受注したあと、建築とのすりあわせをするというパターン。アートワークなどはどうなるのかなどを含めて、そういう問題をコントロールするような委員会システムはしっかり考える必要がある。

<館長、審議委員会、スタッフについて>

●そういう意味でも準備段階での行政と専門家による審議機関の設置や館長の任命は不可欠。
●メディアテーク人事につながる話なので、財団職員の採用には十分気を付ける必要がある。不用意に常勤にしてしまわないようにしないといけない。
●ICCは学芸員は契約制になったようだが。
●これからはみんなそうなるべきだ。
●メディアテークと財団は現在のところ1対1ではないようなので、財団全体の理事会はメディアテークのために十分機能できないおそれもある。
●現在のスタッフがメディアテークにどう移行するのかというシミュレーションも必要。

<アーティストインレジデンス>

●アーティストインレジデンスはやるのか。研究室のような場所はどうするのか。
●キュレーター的な人も含め、一定期間メディアテークの活動に参加してもらうようなことを考えている。研究室的な場所は、館内の学芸スタッフが作業するであろう7Fの北側部分を考えている。
●活動を維持するようなシステムがないと実際にはなりたたない。
●研究員制度をおくということとセットで考えていけばよい。

<7Fの考え方>

●レジデンスではいった人が作業しかつオープンにワークショップができるような形を考えておくべき。低いパーテーションで分けていくことも必要。
●作業が区切りに至るまで機材や資料をそのままおいておけるような、コントロールされた環境がないと無理。
●パーテーションはないにしても、現在の端末が並んでいる中央のスペースを4分割してそれぞれまとまった作業空間と独立した形でも使えるようにすべき。
●キュレーションをするスタッフを中心に、コントロールされた参加形態によるワークショップを行うというイメージでブースシステムが必要。
●初心者へのリテラシー支援の需要は大きいと思う。
●7FはAVホールや会議室もあるのでかなり複雑な人の動きがでてきそうだ。
●ワークショップは、プログラム、参加者のレベルなどをはっきりさせた企画として回していくようなキュレーションをすべき。
●使いたい人に、場合によってノーと言える体制も必要。
●まずはキュレーションできる専門家が中心にいないと動かない。
●メディアのワークショップの考え方についてRCAで聞いてみたい。いろんなリテラシーをもった人がそこにいてそれぞれのレベルで共存していいのではないか。実際、メディアテークのパブリケーションや、サインなどを作る工房などとしても動いてる部分があるだろう。
●仙台という場でのワークショップという意味ではブルーノタウトなどは面白いテーマになると思う。それからサーバーマシンはやはりガラスで囲ったようにして、簡単に入れないように管理する。図書館システムを考えただけでもセキュリティは大切。書架は下におろせるのではないか?
●映像をメディアとして考えるとそのハードはピンきり。どのレベルで考えるか。
●ある程度プロ仕様もあっていいのではないか。ただ場所をよく考える必要がある。
●書架については、まず作業のためのキャッシュメモリのための整理棚だけを残し、あとはメインストレージとして下に持っていく。
●あまりよくばらず、あいまいな空間としての余裕を残さないと作業スペースにならない。
●分割しうるスペースがそれぞれキャッシュメモリとしてのストックヤードを持っている感じだが、空間を小分けにしてしまうと使いにくくなってしまうので、必要に応じて小島を作るような使い方がいい。
●長期間のスパンで行うものや、ちらしづくりなども含んだ半日のワークショップが一定のディレクションのもとに行われていることを想定する。
●流通に乗るようなレベルの出版までここでやらなければうそだと思う。
●ここで行われる活動やワークショップというのは、基本的に成果を出版するという原則にたち、それがまったく想定できないものはやらないという姿勢を貫くこともありえる。
●そのことによって活動のクオリティが維持される。
●メディアテーク財団における数少ない収益事業にもなりえる。システムだって更新しなけりゃいけないので、どうコストを回収するかは重要な視点。
●それをディレクションできる人材、サポートする技官としてのスタッフがいる。一方で素人の活動を保証する必要もある。
●クオリティを維持しながら、例えばWeb上で素人の人たちの発信を保証していくということが平行してあっていい。つまりここは、市民ベースで情報を発信していくための出版(発信)=メディアクラブあるいはサロンといえる。入会規約や一般人が入会するためのシステムがあって、クラブのクオリティを維持しつつ会員を教育するための指導者がいる。
●ここのスタッフは若くないと無理だ。
●ただ7Fをひっぱる「編集長」としての指導力も必要。
●ここに常駐してなんでもひっくるめて引っ張っていける人が必要。

<1Fの活用イメージ>

●映像のための映像ではなく、メディアテークのエントランスとしての空間の演出、アクティビティとしての映像と考えたい。その意味で空間計画の一環としていろんな人にヒアリングが必要。
●顔になる部分なのでどんな番組をやるかということが重要。コンペをやるということもある。お金がなければ、放送局などに番組宣伝になってもいいからかっこいい映像を作らせるということもある。
●サテライトスタジオという話もある

<情報システムの検討>

●情報システムの仕様書作りは相当の技術的な作業の積み上げが必要になる。コンペの仕様書であっても同じこと。仕様書じたいを正式に発注しないと無理。インフラ、アプリケーション、サインなどを含めた総合的な仕様書が必要。
●プロジェクトチームでの検討をきちんと生かした仕様書を作らなければならない。
●ニュートラルな仕様にするためにどこにたのむかが難しい。考え方としては地元の公的機関というのもあるが、メディアテークの検討は難しいように思う。
●システムの業者が決まっても、システムの考え方を常に再検討しながらいい方向にシフトしていける機能、そういう役割を果たせるマネージメント機能が介在しないとどうしようもなくなる。IAMASはコンサルが入って仕様書作りからマネージメントまでやった。
●ソフトとハードの話を切り分けてソフトだけを検討し発注するという方法はないか。
●そういう意味でも仕様書は大切。お金をかけてやるしかない。今年正式に発注する予算がないならば来年度にまわすしかない。
●屋上のパラボラは、大学などとネットワークをつくる上でも非常時を考えても必要。


1997年7月29日 (仮称)せんだいメディアテーク・プロジェクトチーム(仙台)ミーティング

18:30〜23:30
仙台市役所北庁舎4階第1会議室

出席者:
プロジェクトチーム
岩本正敏氏 小野田泰明氏 木村健一氏 新田秀樹氏

(事務局 生涯学習課 佐藤泰、清水、伊藤勝也)

<情報系について>

●情報基幹ケーブルについては、光系の曲げ半径もあり、スペースが十分とれているか再確認しておいた方がいい。フリーアクセスといっても、完全にフリーではない。これだけ広いスペースが全部フリーアクセスだと、床材部分がずれてきたり、「粉」も発生する。メンテナンスの問題もあり、7階などにおいてはフリーアクセスの必要な所と不要な所を分けてみるのも手。

<図書館について>

●メディアテーク活動の中では、図書館の問題(方針)が重要。手作りの本を置くとか、市民活動に対する考え方の整理も必要。在宅検索や他施設等、メディアテークのネットワークをライブラリーとしてどこまで開放させるのか。近代文学館や博物館などとのメディアテークの図書館機能が連携できるかどうか。宮城県図書館や大学図書館との関係もある。
●大学側も地域にどう開放していくか考えているので、大学側にとってもメディアテークはアクセスポイントになりうるのでは。
●メディアテークの組織については、所属は別でも仕事はいっしょにやるという「ディレクター方式」はしっかり組まないとまずい。

<視聴覚障害者情報提供について>

●先日、視聴覚障害者団体からのヒアリングを行ったが、障害者団体のスタッフ常駐スペースの確保の問題が指摘されている。
●それは、メディアテークより福祉関係の施設の方ではないか。また、メディアテークには、そういうスペースだけが確保されていればいいのか。手話のできるスタッフは、ボランティアで補うことはあるのか。
●メディアテークの手話スタッフはボランティアで対応することはあり得るが、職員として配置することも考えるべき。
●一時的にはいいが、経常的にやるというと、手話のできる人はそれだけが仕事ではないはず。
●2階、3階、7階でのワークショップのサポートもある。
●福祉プラザには視聴覚障害者関連の機能は十分盛り込まれてはいなかった。
●情報システムについては、ソフトがまだ決まっていないので、視聴覚障害者対策をできるだけ盛り込むのが重要。手話の配置もたいへんだが、外国語との「バリアフリー」としてメディアテークが何ケ国語対応でいくのかという問題もある。伝言板的掲示システムなどになるのでは。
●バリアフリー全体のマスタープラン(大きな方針)がないと、個別対応でいくとやりづらいのでは。
●障害者のためのナビゲーションはどうするのか。情報システムでやるのか、館内放送システムでやるのか、詰めていかないと来年に向けての予算に間に合わない。弱者の立場でシステム全体を見直す必要はあると思う。

<業者選定について>

●入札だと仕様書を作らなければならないので、プロポーザル方式でまずコンサル契約を結ぶのはどうか。
●来年コンサル契約を結ぶとしても、今年中に予算要求する必要がある。市の他施設の事例もあるので、メディアテークだけ特別な手法をとる訳にはいかないだろう。メーカーを入れずに仕様書を作成し、メーカーが決まってから、もう一度仕様書を作るようにすればいいのでは。それにしても、現在の段階がコンサルの時期で、1年は遅れていると思う。プロポーザルにしても、業者もメディアテークの概要についてよくわからないと思うので、説明やヒアリングなどに時間がとられる。不確定要素も多すぎる。図書館部門で大きく左右される。
●通常は、開館時には全部揃っていてスタートするが、メディアテークの場合は全部揃ってからではなく、遅れている部分についてはやりながらでもだいじょうぶである。担保はとるべきだが、ぎりぎり圧縮して間に合わせるのか、後でもいいのか、その場合どういう担保をとるのか検討すべき。
●どれを最優先させるかということ。
●自動貸出カウンターとかいろいろ案はあったが、スタート時に全部フィックスされていくのか。いくつかのフェーズ(段階)に分けてあって、そのフェーズに従ってこのプランはやっていくべき。特に図書館は人の出入りが一番大きい。先送りする部分も考えておくべきではないか。すべて2001年に集中していると思う。

<図書館計画の進め方>

●運営的には図書館は切り離されている。もっと図書館計画を早めて連動させるべきではないのか。
●逆にギャラリーを抜いた部分を、マルチメディア図書館としてサテライト的にやっていくのもいい。メディアテークは、それにギャラリーとメディアラボが付いているだけで、他の図書館もその水準になった方がいい。
●メディアテークを先に開館する太白図書館で実験すべき。せっかく半年でもチャンスがあるのに、むだになる。
●「ミニメディアテーク」はおもしろいが、作戦としてやるのはつらい。とりあえず、メディアテークの図書館部門をどう運営するか、システムをどうするか、今きちっとしておくべき。
●図書館が立ち上がらないという懸念がある。市民から不満が上がる。図書館の機能がメディアテークを象徴する。他の組織から職員を集めるのであれば、1年前から集めないと開館時に何もないという状態になりうる。
●インターネットで蔵書を検索するようにするのか、サービスの中身を決めるのは今である。それはプロジェクトチームではなく、図書館が決めるべきこと。
●図書館としてどういうサービスをするのか。司書はメディアテークではどんな活動をすることになるのか。ただの貸し借りだけの世話をすればいいのか、司書が司書としての機能をちゃんとしていくのか、ということ。

<図書館の主体性>

●図書館自身で検討できないなら、外部の人間に諮問するとかでもいいので、図書館がもっと主体的にサービス的・ソフト的部門を詰めていかないと、システムまでたどり着けない。
●地元の図書館整備についての意見をもっと取り込んだ方がいいのでは。
●図書館関連の活動をしている人とも、プロジェクトチームでももっと議論しておいた方がいい。
●市民による市民のための図書館として先行事例はたくさんある。それを調べておかないととても恥ずかしいことにもなる。地域の芸術家の作品も貸し出すとかの事例もある。そういうメニューは、勉強している人は勉強している。図書館こそ市民参加であるべき。
●視聴覚障害者用資料を作っている人も、一生懸命にやったことが、ライブラリーとして残らないという不満もあるだろう。資産として使えるように、安心して、作った朗読テープをメディアテークに預けられるシステムを作っていかなければならない。
●図書館に対してアクションを起こしてもらう。もし、アクションに乗ってくれない、または時間的に間に合わないのであれば、メディアテーク事業体系については、図書館1本で建て直ししていった方がいい。具体的にフロアごとに何をやるかを決めないと、システムが組めない。
●図書館の一番の資産は「本」。メディアテークで提供しようとしているシステムは、過剰投資のような気がする。
●貴重本を持っているライブラリーとしていいと思う。なんでもかんでも揃っている図書館である必要はないと思う。冊数の多いものはDBに入れておけば済むだけ。情報をもとに、市民活動ができるような体制に変わっていく必要がある。貸出に関すれば、自動化すれば省力化が図れる。頭脳的資源として、市民と直接関わり合うシステムなど、そういう活動をメディアテークが企画していく。地域映像の収集・整理ではなく、映画を作っていくとか、世界に1冊しかない本を集めていくとか、自動化していって、本を増やすというより、地域的特性を出した図書館にしていくことが大切。
●今まさにそういう方向に来ている。そこすらたどり着けなかったら、問題。
●市民が図書館に何を求めているのか、アンケートなどもテーブルに出してもらって、市民が作りたいものと専門家が作りたいものともギャップがあるだろうし、科学館のように問い合わせにいちいち対応してくれる機能とか持っていた方がいいのでは。司書がそのためにいる。
●財団として専門性の高いプロパー職員を作っていくことが重要。

<ワーキングについて>

●本当ならばシミュレーションの段階ではなく、実施計画の段階である。プロジェクトチームはどういう立場でやるのか。やる資格があるのか。職員は来年採るということだが、プロジェクトチームが全部お膳立てすると、そういう人を縛ることになるのでは。プロジェクトチームは正式な委嘱もなく、ボランティア的立場。ボランティアでもいいが、責任の所在が不明確。職員になり代わって、本当にいいのか。メディアテークの総合的な指針があり、ディレクターシップがあって落としていくのが本来。メディアテークのアイデンティティーを作っていく理念を持って、まとめていく人がいないと、単なる寄せ集めになる。館長を決めてからとか、専門スタッフを集めてからでないと、プロジェクトチームがメディアテークを私物化していることになる。個人の意見に過ぎないのでは。イメージは描けるが、プランを立てる訳にはいかない。
●プロジェクトチームが仙台市としてオーソライズされていない。ということは、ソフトは事務局でやりなさいということ。東京でもどういう資格で外部の人と交渉すればいいのかわからないでいる。事務局の私的諮問機関のようである。
●東京のメンバーも、結構フラストレーションが溜まっているように思われる。自分たちの言った意見が、「暖簾に腕押し」という感があるのでは。予算も人もわからないのでは、破綻するような気がする。
●我々は地元だからいいが、東京のプロジェクトチームにとって、参加するメリットが必要。
●メディアテークの先進性に対する期待感が高いので、ギャップがあるとフラストレーションが溜まっていく。
●事務局サイドである程度まとめてもらわないと、こちらでは動けない。

<組織・館長について>

●メディアテークは科学館とは違う形になるのか。施設全体としての目玉になる人を、館長として抜擢するのか。雇用形態とすれば、財団職員としての館長となるのでは。
●財団職員か、契約か、または週のうち何日か来てもらうような形になるのか、ということもある。
●市民図書館長にビッグネームを持ってきて、メディアテークに兼務してもらうのはどうか。
●ディレクターがビッグネームでないと、下のスタッフが付いていかないという可能性も懸念される。
●館長にビッグネームを呼べる保証がないなら、その場合でもちゃんと動くように仕込んでおかないといけないのでは。実務レベルでできる人も連れてこないと。
●人を決めて、かなりの権限を持たせて、その人に決めさせるというのが普通。前段で全部やってからビッグネームを連れてくるというのはあまり事例がない。
●総合ディレクターは、ビッグネームでなくとも中堅レベルのできる人でもいい。
●ここで議論するより、市の行政の組織の方でやってもらわないと。
●総合ディレクターの権限の及ぶ範囲を明確にすべき。図書館まで及ぶのかどうか。
●一発では決められないのでは。いくつかのオルタナティブを作るパターンにする形か。階の運営、事業の積み上げからやっていかないとだめ。


1997年8月5日 メディアテークプロジェクトチーム(東京)ミーティング

伊東事務所 18時半〜23時

出席者
プロジェクトチーム
桂 英史氏、関口敦仁氏、鈴木 明氏、小野田泰明氏

伊東事務所(伊東豊雄氏、竹内申一氏、古林 豊彦氏、横溝 真氏)
(事務局  生涯学習課 佐藤 泰)

<図書館の位置づけ>

●仙台でのミーティングでは、財団と図書館の二股という組織ではうまく機能しないのではないかということでかなり議論になった。また、館長(ディレクター)の位置づけが中途半端でビッグネームには来てもらえないのではないかとの指摘があった。メディアテークにおいて最大の機能である図書館に関する社会的なアクションを、もっともっと起こしていかなければならないという意見もある。
●図書館サービスについての研究機関あるいは研究者をメディアテークの中におき、開発活動をするといったことを、中央館的機能と位置づけていけるのではないか。
●より明確に図書館との関わりを打ち出せるような形態を考えておいたほうがいい。たとえば、図書館スタッフ全体から何人かが交代でここで研究活動を行うというようなことも考えられる。
●組織的な対応だけでなく、図書館運営などを対象とするプロジェクトを立ち上げて、そこに図書館職員を巻き込むということも考えられる。

<東京と仙台の役割分担>

●机上の議論になりがちな東京でのミーティングに対して、仙台はもっと地元のフィールドやニーズをふまえ、具体的な活動を想定した議論をしてもらいたい。プロジェクトチームは本来、できることからやっていこうということで始まった。そういう意味で、それを中心になって実践するのは仙台のみなさんであってほしいし、我々はそれを後方から支援する立場でしかない。図書館についての議論がだいぶ出されているが、それに関して言えば、それより今やれることとして、例えば、仙台の大学図書館の館長を集めて市民開放について議論するとか、近隣の図書館との協力関係づくりを始めるとか、仙台チームや事務局レベルでやるべきことはある。
●仙台のメンバーも必ずしも同じというわけではないし、また仙台においてメディアテークとはなにかということ自体必ずしもオーソライズされていない面もある。
●静岡でメディアテークの説明をするときに使ったものがある。

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せんだいメディアテーク事業計画の三大骨子
97.7.30 桂 英史
せんだいメディアテークは、最先端の精神(サービス)を提供すること
せんだいメディアテークは、端末(ターミナル)ではなく節点(ノード)であること
せんだいメディアテークは、あらゆる障壁(バリア)から自由であること

このような意味で、図書館のバリアを越えたサービスというのは、メディアテークにとって最大の目玉になる。町田で法政大学多摩校舎の図書館が市民に開放されたが、これは大学側から行われたもの。むしろユーザーが市民である以上、公共図書館側が大学に対して働きかけていくべきもので、メディアテークは、それを実現していくことがまず必要である。国会図書館もいいが、地元にある図書館どうしで資料を活用できるようにすることを考えなければ。財源が違うということでなかなか簡単ではないが、これによってメディアテークが市民にとっての資料選択の幅を広げること、単に貸出のための端末ではなく資料の活用を広げていく中継点となることにつながる。図書館ネットワークの検討はその上で進めるべきである。

<プロジェクト>

●バリアを取り除いて情報サービスをするという意味でもメディアテークのコンセプトを端的に示す例としてわかりやすい。
●これを軸にすれば、必要な人材や組織というものも必然的に見えてくる。メディアテークの中にライブラリーコンソーシアムの開発を進めるためのセクションをおくのもいい。
●ロンドンのRCAで行われているCRD(computer related design)という学科で行われているプログラムは、必ず外部の企業などと共同で進めるという形をとっている。そのやり方は例えばアップルとやっているのを見ると、コンセプト作りや試作的な作業まではやるが最終的な製品化作業まではしないなどの特徴がある。メディアテークの7Fは、このように外部や市民との関係を通じて研究活動をするというスタイルをとれないかと考える。それが図書館サービスの拡張ということであってもいい。内部的な機能が横糸であるとすれば、縦糸となるのが外との関係の持ち方になる。東京チームではそのような縦糸になる部分の話を進めたらいいのではないか。RCAに限らないと思うが、少なくともここで参考になるのはそのような組織のあり方やプロジェクトの進め方である。RCAもメディアテークには関心を持っているし、内容自体も興味深いものが多いのでプレイベントでRCAと共同プロジェクトをやってみるというのもいいのではないか。
●7Fでなにかをやらなければならないと考えなくてもいい。必要なプロジェクトがそれぞれに混在しながら行われる場であればいい。
●そうすると7Fは知的生産の場であって、大学の研究室などに近い。リテラシーは下に持っていった方がいいかどうか。
●システムの組み方やスタッフの考え方しだいでどちらでもOKだと思う。ファカルティーがいて、その延長線上にリテラシーがあるというほうがいい。パソコン教室的なものはそれっきりになる。
●7Fのメニューはすこし盛りだくさんすぎる。アーティストインレジデンスはなくてもいいと思う。むしろメディアテークの特性を鮮明にしうるような例えばライブラリーメディアラボラトリーのような考え方にまとめていいのではないか。このようなテーマによるプロジェクトやワークショップの場にしていく。
●純粋な意味での市民ギャラリーは必要。個人単位での一坪ギャラリーみたいな貸し方もしながら、そこで発表されたものは必ず個人の責任においてメディアテークに蓄積し、外に向けて発信するということを進めればいい。ギャラリー階ではひたすら個人の自由な表現が行われ、7階ではそれが編集される。
●なんでもかんでもメディアをかませるというは現実的ではないので、ある程度期間や場所を区切って対応を変える必要もある。市民ギャラリーとしては使い方が基本的に自由でないとまずい。6階は現在考えているところだが、たとえば3年契約のキュレーターに2年サイクルで企画を担当してもらうというやりかたもあると思う。7Fでのテーマとの連動もありうる。
●床だけ1m2、壁だけ1m2、天井だけ1m2などという借り方が成立するのであれば、むしろ6階で混在させるということもおもしろいと思っている。
●個人が何をどう表現するのかというのは個人の問題であって、行政や団体がどうこう言う問題ではない。むしろそういう混在の中で自分を表現することが自然なのではないか。
●それでけんかになっても行政は黙って見ている。
●トロントのCity TVでやっている5分間市民が電波を自由に使うという番組は、まずい発言があればその部分だけ消音されるというのがある。
● メディアテークになにか見に来て終わりではなく、発信していく場でもあるのだということは、とくにこの部分ではメディアテークのコンセプトとして主張して行くべきだ。
● やはりメディアテークの事業計画というのはメニューとして存在するのではなく、方法論として存在するのだということだ。
● 静岡で使ったメディアテークの三大骨子というのもそういうこと。
● これをメディアテークの憲法にしていけると思う。そこで必要なことを考えていけばいい。

<メディアテークの一体運営>

● メディアテークの中で図書館が別扱いになっている感じがあるが、 これは危険。メディアテークの中で図書館は勝手にやってくれと言っているようなもの。
● メディアテークで図書館を一体として運営するためには、図書館を財団に委託しなければならない。しかし図書館の財団委託というのは、安易に進められない。
● 中央館的機能があるのであればなおのこと、逃げていたら絶対だめ。やっているうちにあとから財団委託の話が出たりするほうがよほど不透明で不信感を強めるだけだ。今ここでこのような二重構造を作ってしまうと後々禍根を残す。あえて図書館長をメディアテークに置かなくてもいいくらいだ。あの3大骨子の精神を実現するためにこそ財団運営は不可欠である。その覚悟がなければバリアフリーなメディアテークなどというのは実現できない。
● 組織については、司書という肩書きでのくくりではないものを考える必要がある。メディアテークで必要な職能は情報管理主事、企画運営主事、システム管理主事の3種類でその上に立つものとして企画調整主幹というのがあり、そこに企画調整室というのがあって企画調整会議がある。学芸員とか司書とかの部署を作ると資格だけにとらわれてしまうような組織になる。メディアテークでは図書館を含めてそれぞれの職能が混在しているようにしないといけない。図書館というのがわからないくらいの組織のほうがいい。部課組織というバリアを作らないで、スタッフが相互乗り入れができるようにしておかないとまずい。仮にメディアテークの情報システムが貧しくなったとしても、メディアテークの一体運営については絶対譲れない。これだけは後で変えようと思っても20年30年かかってしまう。
● 「メディアテークの図書館は、将来の中央図書館機能を果たすために財団化する」ということで十分理解を得られると思う。例えば外部の図書館との連携のためにはお金のやりとりだってあるのだから、それを進めるだけでも財団でないと大変だ。例えばNTTがメディアテークで図書館サービスの実験をするために研究費を出すと言ったとき、それに対応できるのは財団でしかない。
● 図書館を委託すると何が問題なのかということの整理が必要。
● 公務員でなくなくなることで、利用者のプライバシーが保てなくなるといういうことなどが言われている。
● それは約款を作ればいい話だ。利用者との約款というのもある。それは利用者に対する啓蒙にもなる。

<バリアフリーサイン計画>

● 設計にかかわるサイン計画について、建物に付随したサインと、情報リテラシーに絡むサインを一体化して考えている。情報リテラシーにかかわる部分を縦糸としてプロジェクト化し、シミュレーションしながら検討を進めたい。RCAにはインターフェースやコミュニケーションについての共同研究の話を持ちかけ、向こうも興味を示して、プロポーザルを作ってくれることになった。RCAにこだわるわけではないが、このようなプロジェクトを外部との連携で進めるとなればボランティアではすまない。
● 横断的なプロジェクトなので事務局でやっている枠組みにどのように位置づけるかが課題。
● ライブラリーコンソーシアムもそうだが、このようなことを進める上では、お金だけでなく人(資質のある)もかかることを覚悟すべき。
● バリアフリーに関しては、視聴覚障害者情報提供ということから来る非常に重い部分があるが、それをこのプロジェクトに含むものと考えるかどうか。
●それは一緒にするべき。我々としてはデザインに入る前にまず、綿密なコンセプトワークをやってもらいたい。

<プレイベント=ブックフェア>

●バリアフリーサイン計画、パブリシティ計画、プレイベントを含めて、また地元の大学との協力関係なども含めて、プレイベントとしてこれまでにないブックフェアというのをやったらどうか。だれにもわかりやすい形を目標におき、一方でメディアテークの新しい試みを組み込んでしまうようなやり方。ボンクというアーティストが架空の会社(一見きわめて当たり前の会社紹介だがよく見るとまったくナンセンスなアート??)のパンフレットを作っているが、そんなやり方だってある。ブックフェアがそのままバーチャルメディアテークになるというようなイベントをやる。
● サイン計画というより、バリアフリーをどう具体的にデザインするかという問題にしたほうがいい。バリアフリーのトータルなコンセプト作りが必要である。障害者へのヒアリングなどもしながらレポートとしてまとめてほしい。カメラを利用した案内誘導システムのアイディアは実現できるのだろうか。
● そのアイディアについては、最終的にはどのようなコストが必要かが課題。
● そこらへんも含めてプレイベントとしてやってみたらいいのでないか。
● それなら名前は考えるとしてブックフェア的なものをまず最優先に考えたらいいのではないか。141あたりでできたらいい。

<情報システムの検討方法>

● 情報システムについてコンサルを頼むことは考えていないのか。 プロポーザルというのもあるが。
● プロポーザルで出てきたものはその時点ではほとんどハード的にも成立していないのでそのまま使えない。
● メディアテークの規模はメーカーにとってそれほど魅力的ではないかもしれない。それと、図書館システムとの親和性を考えなければならない。
● これまで一緒にやったことのあるコンサルに声をかけてみてもいい。
● とりあえずとっかかりとして始めるしかないのだから、声をかけてみてはどうか。

<館長や準備室の人事>

● 検討委員会で提言された準備室の早期設置や館長の任命は本当に急がないといけない。
● 館長などは、メディアやアートに対する見識はまずさておき、海外のゲストと対等にわたりあえること、メディアテークに資する人間関係を持っていることが大切。
● 地元との関係も大切ではないか。
● それは(役所から出向するような)副館長の役目でいいかもしれない。
● 何年くらいでどういう形のお願いをするか。
● 7年間専従で年俸1000万とか。図書館があるということで興味を示す人は多いと思う。ある程度政治力も必要。ジャーナリストとかもいいのでは。例えば筑紫哲也とか立花とかという人を選ぶ考え方もある。お金じゃないと思う。
● ジャーナリストというのはメディアテークにはけっこうぴったりくるような気がする。ある程度目星をつけたら館長人事という前になんらかのつきあいを始めることも必要だろう。
● 館長については、少なくとも生涯学習課ではこういう人事を考えるべきだという点を十分認知していてほしい。これは組織の問題とも共通するが、相当覚悟してかかる必要がある。まずオーソライズしてもらえれば、適任者は絶対出てくる。
● 来年度以降のはスタッフを考える上で終身雇用や、役人の出向はできるだけやめたほうがいい。これからの人の取り方はメディアテークの人員計画を左右することになるので慎重に進めてほしい。契約制の準備スタッフがいていいと思う。また、財団と生涯学習課の関係もまずい2重構造にならないようにしなければならない。立ち上げ3年、プロジェクトマネージメント7年とかという形をこの際作るべきだ。
● やはり図書館の財団への組織的一体化が不可欠。財団の契約職員として図書館スタッフを考えて行くべきだ。人件費コストの差も計算してみたほうがいい。この事業は建物を建てて終わる話ではなく事業の根幹にかかわる問題なのでしっかり進めてほしい。


1997年12月19日 プロジェクトチーム(仙台)ミーティング

18:50〜22:00
教育局第1会議室

出席者
プロジェクトチーム
岩本正敏氏 小野田泰明氏 木村健一氏 菊地淳氏 斎藤智氏

(事務局 生涯学習課 佐藤泰 伊藤信義 伊藤勝也)

<メディアテーク計画の進め方>

●基本的にメディアテークのアイディアについては、何回も「憲法」を作ろうとして挫折していて、コンペの要綱やプロジェクト検討委員会報告(情報テクノロジー〜「知」の集積体など)などをかみ砕くと、先進性と参加性、広義のバリアフリーなどが共通している。基本はこれにあって、日はメディアテークという名前はインフラにすぎず、何でギャラリーと図書館の合築であるかの必然性の認識がない。そういうところにコンピュータの話が来るからわかりづらくなる。実際はそうでなくて、ワークステーションをはさんでここで発信するというモチベーションをはっきりさせる。原点に帰る。
●どうやってモチベーションが高まるか?アピールをする。ミニコミ誌を作る。自分が関係しているテーマという認識が絶対的に必要。もう一つは、とにかく発信するということ。どうやって何を発信するのかは考える必要があるが、少しづつやっておく必要がある。発信しても誰も見ないのでは意味がない。クオリティー確保というのが絶対必要。
●東京では「いいね」で終わらないで、事業化に進む。商品化と言わないまでもネットワークとか、プロデューサーを呼んでくるとか、ここをきちっとやった上でいろいろなプレ事業を展開する。しかしプレ事業は手段であって目的ではない。論より証拠で実際にやってみる。メディアテークにかかわるとこんなにレベルが上がるよという形。習い事の延長という考えとはメディアテークの精神はかけ離れている。スターが必要。
●この事業を、生涯学習課で抱え込むのはつらい。関係課でサポートする必要がある。また建築家がやることと、ワーキングがやることと分ける必要がある。例として金沢市民芸術村があるが、これは協会に委託しているため、つまりパートナーシップが重要な役割を果たしている。プロデューサーを年間契約で呼んで、基本的に好きにやらせている。

<何を蓄積し提供するか(情報システムの中身)>

●メディアテークのコンテンツを整備するのに数年は必要なのに、コンテンツの問題が出遅れている。百万都市何が起こっているのかを残していく必要がある。施設でやっている演劇やカタログは全部アーカイブしていく。スキャナーではなくて、PDFファイルで印刷していく。デジタルアーカイブに対する準備は必要。PDFで必ず持っておくのはお金もかからない。仙台市で発行するものは全てPDFにするくらいにしないと、それを会社のHDに入れないので、メディアテークはMOに入れて提供する。システムを入れると言っても、小さいシステムでもいいからやってみる。デモを作る環境を作っておかないとシステムの予算がいつまでもつかない。
●アート性に近いものも貯めていく。公開できる条件整備は必要。仙台フィルではホームページを持っていない。
●1つは記録として残す。後はコンテンツの少ない仙台でどうやっていくか。最初のポテンシャルが低かったら、そこから上がるのはたいへん。科学館では全国に先駆けてインターネットを開設した。(他都市よりも)数カ月早いだけで、注目されてきた。ある程度のポテンシャルは持たなければならない。
●ソフト先行型施設整備なんだとはっきりする必要がある。ハコもの整備の批判を仙台市は応えていて、ハコの前にソフトをきちんとする。なぜ必要か?今までのルーティンワークではダメだったが、今まで図書館とギャラリーがいっしょになって高め合うことはやっていなかった。ここでプロジェクト検討委員会報告が生きてくる。バックボーンとなるのは、百万都市・仙台が発信する。それでは、普通の図書館やギャラリーではだめ。受け身ではなく、自分たちで作ってどんどん出していく。お稽古事の延長ではなく、せめて生涯学習を展開するということをはっきり出して、予算を確保するべき。
●長いスパンでどの程度のお金がかかるかは、市民との情報をいかに共有化していくかアイディアを出さないとコストはつかめない。「商品化」はいつまでも(お金を)つぎ込む施設ではなく、稼げる施設を可能にする。場所貸しだけではなく、コンテンツを売って稼げる稼ぎ方ができないか?稼げるような仕組みを作るのが、メディアテークでは重要。収益性の上がる展開が必要。仙台は工業デザインに有名な人を大量に出しているらしい。問題はみんな東京で活動しているということ。メディアテークが活動の場になれば、収益性を狙っている人を仙台に集められる。生涯学習課がそれを面倒見るのはむずかしいから、財団とか協会とかとタイアップする。土俵作りとして、いかに使いやすく作るか。場所貸しでは土俵ではなく、むしろアーティストには居心地が良くて収益が出たら寄付したくなる建物を目指す。お金がフィードバックできるシステムを作ると、活動の拠点になる。商品化とスターを育てることは必須条件。しかしスターと言っても仙台ではむずかしい。大阪や福岡ではそういう土壌があるが、仙台では目立つ人の足を引っ張るという土地柄であると思う。
●街としては住みやすいが面白みが足りない。(仙台は)人の入替えも大きいので、観光的な仕掛けとか、そこに行ったら仙台のことがわかるようなものが必要。「インフラによって可能になるのは何なのか」がない。それが弱い。結局これで何ができるのかが見えてこない。
●そこらへんを解決しようとするメディアテークの基本的精神はあるが、具体的サービスが見えない。
●ユニバーサルアクセスは、さまざまな団体による助成金のシステムがたくさんある。メディアテーク内に研究グループを組織して、助成を取れれば、高齢化、小子化に関するユニバーサルアクセスは予算はとりやすい。
●仙台市としてそういう助成金を取ったということが、外部的にはやる気を見せられるし、内部的にはちゃんとした成果物を残して、メディアテークの新しさはアピールできると思う。
●助成金は半分でかつ成果物を必要とする。科研費が一番後腐れがない。

<次回のプレイベント>

●この前勾当台公園で牛乳フェスティバルという農業関係のイベントが行われたが、そこで牛乳のフタの展示があった。仙台の昭和ひとけたのものから、仙台市の衛生局の課長が集めたもので、それを見た人から「以前自分の家でこれを作っていた。おばあさんを呼んでくる。」という光景が見られた。そういう、どんどん起きてくる記憶をたどるという、正しい歴史とは全然違う、漂っている昔の記憶があるきっかけでずるずる出てくる可能性をウェッブ上でやりたい。「青葉連画」は自閉的傾向があったので、一歩進めてもっといろんな記憶をどんどん呼び覚ますような仕掛けが必要。モバイルよりも、もっと市民の目の付くところにもってきて、コンピュータ系のショールームで、それぞれ入力しホームページを作る。2〜3日続けられればおもしろい。普通の記憶を積み上げていく面白さを「都市の記憶」として断片的にやっていきたい。吸引力としてアーティストが関わっていければいい。もとはアメリカにある。ある日を決めて、アメリカ中から記録を集めて一気に作っていく。ネットワーク上でやっている。
●前後に紙でその状況を伝えるといい。フリーペーパーにつなげていきたい。2001年1月から出ることにして、5年先の情報が今から見れるとか、勝手に館長やイベントが決まっていたり、面白いと思う。多分(参加する)市民が集まらないと思うので、まず「フタ」から始めたい。
●(写真とか素材を)持ってくると作品化してくれる。デジタル化もしてくれてネットワークで公開できる。基本的にはネットワークが主体ではなく、紙をパネルに貼る。それをネットワークで中継する。
●ショールームにこだわっているのは、外から見えるから。2月の平日に断片的にやっていく。市の広報を使って、家族写真を持ってきて下さいとか、日記や作文など、記憶に関わるものを募集して、それを何かしますからと言って、ドキュメントは3月に紙とホームページで見れるくらいで収束させる。
●集めるときにメディアを決めないと、幅が広すぎる。
●メディア絡みの日とか。CD−ROMの発売日や、LPが消えた日とか。その人にとってCD記念日とか、初めてCDを買った日とか。初めて撮ったビデオとか。
●最後に買ったLPと最初に買ったCDはどうか。
●テレビが来た日とか、市電がなくなった日というのもある。
●去年の連画は回りの人を引き込むというのがわからなかったという感想を持った。「フェスタ」つまり「祭り」をやっている感じがなかったということだが、誰をターゲットにするのか。より幅広い層か、通りすがりの人でも参加できるものにするのか。じっとパソコンの前に座る人を対象とするのか。それによってディスプレイの仕方も変わってくる。エスパルの(野外大型ディスプレイの)映像に「フタ」を出すとか、電光掲示板のニュースにタイムスリップした記事を流すとか。それによって違う。「フェスタ」をどういう位置づけにするのか。
●ツールはいろいろあって、後は何をするか。面白いだけではなくて大きな戦略の柱をきちんとしないといけない。5年後にこれをやった意味がわかる仕掛けが見えるといい。
●インターネットはツールとして普及はしているが、冷静に見てみると東北は全国のインターネットアクセス数から見ると3.3%と、人口比から見ると非常に少ない。関東では2〜3割、中国地方や北海道地方にも負けている。インターネットで発信と思っている割りには届いていない。結論から言うと、インターネットだけでは限界があり、紙やテレビ、ディスプレイなども盛り込まないと、インターネットだけでは「オタク」で終わってしまう。
●今のインターネットはトランシーバー(特定の人の間だけのやりとり)で、形態電話的利用にまでいっていない。今までコンピュータを出しすぎたために他が萎縮してしまう。人は来るが、参加していない。裏方に座って支援する。インフラ的に使っていかないと普及しない。インフラとしての利用ができないと紙をベースとして誰でも参加できるものにして、しかし中継もされていてサテライト的空間にする。ネットワークで閉じるのはだめ。どんなメディアでも参加できる「記憶」にした方がいい。
●生涯学習で集めるよりもショールームで集めた方が、企業と行政が連携した形になる。学校に配るのはインパクトが大きい。活動の中心は主婦で社会参加について不満を持っている。生涯学習で参加の核となれる。今の主婦はパワーがある。デザイナーやプログラマー、5ケ国語しゃべれる人とか、それをいかに生涯学習システムに取り入れていくか。
●先日、主婦を対象としたパソコン教室を開催したら、あっと言う間に200人の募集があった。そういう主婦パワーをうまく集めるのはいい。
●アーティストが継続的に関わってくるのが大事だと思う。単に市民がやっているとか、デザイナーがやっているだけではなく、アーティストの思い入れとかあるので、国際的にネットワークで活動している人に、継続して関わってもらって、将来的にも続けていきたい。
●アーティストといっしょに活動できるというところをアピールできたらいい。
●街の中で設定したい。一番町や定禅寺通りなど、街に映像を映していければいい。
●ネタ、道具はいいと思うが、ディレクションをちゃんとするのは大事。ディレクション、ネタの出し方によって、相当違ってくる。
●スタッフが気の合ったお客と話し込むと、そこで活動が止まる。閉じてしまう。スタッフを大量に抱え込むか、もしくはお客を放っておくとかしないと維持できない。当事者がいなくても運営できるような自動的に動くシステムが必要。
●やっている人が面白くても、一般市民がわからないとまずい。気楽に入れて、楽しいイベントを考えないと。
●仙台市民まつりでは、NHKから昔の写真を借りて地図に落として人気投票を行って盛り上がった。
●いつからいつまでこのサイトで出すという期限を限定して、アクセス数を増やす仕組みも考える必要がある。


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